いよいよ最終回です。
まずはこれまでの連載から、私がご紹介した各楽章のイメージを改めて振り返ってみましょう。(もちろん感じ方は人それぞれなので、熱心なマーラーファンの方は各人の解釈にお任せします。あくまで初めて聴く方の入門編としてお送りしておりますのでご了承ください)
[私の頭の中のマラ9]
・第1楽章「
人生の愛と甘美さへの告別」
・第2楽章「
人生の滑稽さへの告別」
・第3楽章「
人生の闘い(嫌いな人間)への告別」
・第4楽章「
世界への告別、昇天」
マラ9は約100年前の作品ですが、
100年経っても人間の考えていることや感じていることはさほど変わらないのだと実感します。この連載を通じて、一見すると遠い出来事のようなこの作品が現代を生きる人間にも共通する身近な感覚によって出来ているということが皆様に少しでも伝われば幸いです。(バッハやハイドンの時代だって
人間の感情の種類は今と同じ、彼らは宇宙人ではないのです)
毎回好き勝手にマラ9を紹介してきた連載も最後になりますが、1時間半もの長大な作品を家で聴くのは大変ですから、文章は読んでいただけたとしても全部の動画を観たという方もきっと少ないでしょう。家にいるんだったらDVDレンタルして映画でも見たほうがいいですもんね。
でも、それでいいと思うんです。こういう
長い曲こそコンサートホールで「生で聴くべき」なんです。だからこそ連載を読んでくださった皆様には第8回定期演奏会に是非お越しいただきたいのです。生で聴くと音楽に入り込めますし、あっという間の1時間半になると思います。インバル都響のマラ9のチケットを取れなかった貴方も是非!(笑)
3月21日(金・祝)はユーゲントフィルの「金曜ロードショー」をどうぞお楽しみください。
(演奏会当日にお配りするパンフレットにも作品紹介が掲載されておりますので、併せて読んでいただければ演奏会をより深くお楽しみいただけると思います)
最後にマーラーの交響曲第9番の全曲の動画をいくつか紹介しておきます。
◆バーンスタイン指揮/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団◆アバド指揮/グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団◆ハイティンク指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団◆ガッティ指揮/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団ここまでお付き合いありがとうございました。連載は終わりましたが、今後も色々と更新していきますのでよろしくお願いします。
【特集】マラ9を聴こう(全6回)・第1回「
終楽章から聴いてみよう」
・第2回「
沈黙のすすめ」
・第3回「
思い出は甘美で残酷である」
・第4回「
人は社会に踊らされ」
・第5回「
前略、大嫌いな貴方へ」
・第6回「
マーラーは人間である」
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