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ユーゲント日誌


演奏会をお楽しみいただくために - 2014年03月19日
演奏会まであと2日となりました。

今日は演奏会をお楽しみいただくために大切なことを2点お知らせします。

◆開演前には必ずトイレに行こう
今回はマラ9の1曲プログラムなので休憩がありませんので開演前にお手洗いは必ず済ませておきましょう。普段からクラシック演奏会に行っている方ほど、休憩時間にトイレに行く習慣が身についていたりするので開演してから「しまった!」となる方が多いようですのでご注意ください。尿意にマナーモードはありません。(笑)

◆チケットは全て自由席
開演の1時間前の18持からホールに入場できます、良い席で聴きたいという方は前売り券をお買い求め頂いて早めにお越しいただくことをオススメします。ぴあ前売券の発売は明日(3月20日)迄となっております。

◆1楽章を聴き逃さない!
今回はマラ9のみの1曲プログラム。約80分の曲のうち、1楽章だけで30分ほどの時間となります。内容としても1楽章が超重要!楽章間のご入場はできますが、演奏中はご入場いただけませんので、遅刻して1楽章聴けなかった!などとなりませんようお早めにご来場下さい。

【1】インターネットで購入
 チケットぴあの以下のリンク先から購入できます
 http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1349030

【2】店頭で購入
 Pコード: 216-736
 以下のお店で取り扱いしております、窓口でPコードをお伝えください。
 ・チケットぴあ各店
 ・サークルK・サンクス
 ・セブン-イレブン

当日券は演奏会ホールフロントにて17:30~販売開始いたします。よろしくお願いいたします。


2014/03/19 15:07 | コメント(0)



バーンスタインとマーラー - 2014年03月15日
演奏会まであと6日となりました!

今日は「マラ9を聴こう」特集で紹介した動画に頻繁に登場していた指揮者レナード・バーンスタインについて。この方はマーラーの交響曲を語る上で欠かせない音楽家の1人です。一般の方には映画「ウエスト・サイド・ストーリー」の作曲者といった方がピンとくるかもしれません。

バーンスタインが同じユダヤ系の作曲家兼指揮者であったマーラーと自分を同一視していたことは有名で、その作品について「自分で書いたような気がしてくる」と語っているほどです。そんな深い共感と共に残された録音群は不朽の名盤として今なお多くのマーラーファンに愛聴されています。

[参考リンク]
・バーンスタイン 交響曲全集(CD)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00000DI2T
・バーンスタイン 交響曲全集(DVD)
http://www.amazon.co.jp/dp/B000BDIY3G

マーラー作品の数多くの初演を指揮したブルーノ・ワルターが亡くなって以来、取り上げられることの少なかったマーラー作品を積極的に取り上げたことによりマーラーブームが起こり、日本の楽団もこぞって演奏するようになりました。

マーラー作品がここまで有名になったのは正にバーンスタインの功績といっていいでしょう。もっと大袈裟に言えば、バーンスタインがいなかったらユーゲントフィルが演奏会でマーラーを取り上げることもなかったでしょう。

今回はバーンスタインの非常に情熱的なマラ9のリハーサル動画を紹介します。46:17の音楽の頂点を迎えるところでバーンスタインのおへそがペロンと出る所に注目です。それからヴァイオリンのトップサイド(コンサートマスターの隣)に座っているのは若き日のライナー・キュッヒル、髪がフサフサでこんな所に時の流れを感じます。(笑)

◆バーンスタインのリハーサル
バーンスタイン指揮/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団




2014/03/15 11:00 | コメント(0)



【特集】マラ9を聴こう 最終回「マーラーは人間である」 - 2014年03月14日
いよいよ最終回です。

まずはこれまでの連載から、私がご紹介した各楽章のイメージを改めて振り返ってみましょう。(もちろん感じ方は人それぞれなので、熱心なマーラーファンの方は各人の解釈にお任せします。あくまで初めて聴く方の入門編としてお送りしておりますのでご了承ください)

[私の頭の中のマラ9]
・第1楽章「人生の愛と甘美さへの告別
・第2楽章「人生の滑稽さへの告別
・第3楽章「人生の闘い(嫌いな人間)への告別
・第4楽章「世界への告別、昇天

マラ9は約100年前の作品ですが、100年経っても人間の考えていることや感じていることはさほど変わらないのだと実感します。この連載を通じて、一見すると遠い出来事のようなこの作品が現代を生きる人間にも共通する身近な感覚によって出来ているということが皆様に少しでも伝われば幸いです。(バッハやハイドンの時代だって人間の感情の種類は今と同じ、彼らは宇宙人ではないのです)

毎回好き勝手にマラ9を紹介してきた連載も最後になりますが、1時間半もの長大な作品を家で聴くのは大変ですから、文章は読んでいただけたとしても全部の動画を観たという方もきっと少ないでしょう。家にいるんだったらDVDレンタルして映画でも見たほうがいいですもんね。

でも、それでいいと思うんです。こういう長い曲こそコンサートホールで「生で聴くべき」なんです。だからこそ連載を読んでくださった皆様には第8回定期演奏会に是非お越しいただきたいのです。生で聴くと音楽に入り込めますし、あっという間の1時間半になると思います。インバル都響のマラ9のチケットを取れなかった貴方も是非!(笑)

3月21日(金・祝)はユーゲントフィルの「金曜ロードショー」をどうぞお楽しみください。

(演奏会当日にお配りするパンフレットにも作品紹介が掲載されておりますので、併せて読んでいただければ演奏会をより深くお楽しみいただけると思います)

最後にマーラーの交響曲第9番の全曲の動画をいくつか紹介しておきます。

◆バーンスタイン指揮/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団



◆アバド指揮/グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団



◆ハイティンク指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団



◆ガッティ指揮/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団



ここまでお付き合いありがとうございました。連載は終わりましたが、今後も色々と更新していきますのでよろしくお願いします。



【特集】マラ9を聴こう(全6回)
・第1回「終楽章から聴いてみよう
・第2回「沈黙のすすめ
・第3回「思い出は甘美で残酷である
・第4回「人は社会に踊らされ
・第5回「前略、大嫌いな貴方へ
・第6回「マーラーは人間である


2014/03/14 08:00 | コメント(0)



【特集】マラ9を聴こう 第5回「前略、大嫌いな貴方へ」 - 2014年03月13日
今日は第3楽章について。

3楽章は「ブルレスケ」の音楽です。これは「道化」という意味で、ユーモアや辛辣さを持ったふざけた性格の楽曲を指します。他の作曲家で例を挙げるならショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番の第4楽章などが典型的なブルレスケです、冒頭の3分だけ聴いてみましょう。

◆ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番 第4楽章(冒頭)
ブラウンシュタイン(Vn)/ビシュコフ指揮/ベルリンフィル




マーラーは第3楽章に「アポロのわが兄弟へ」という標題を書いています。愛好家の方は「マーラーの14人の兄弟(7名は幼少時に死亡)、あるいは自殺してしまった弟のオットーのことだろうか」なんて妄想しそうですが、どれも違います。この「アポロの兄弟」とはマーラーの同僚たちを指しているのです。

その点を踏まえた上で表題を改めて見ると、親友や仕事仲間の栄光を称えたり、応援する曲になっているのではないかと誰もが想像するのですが、実際に聴いてみるとなんだかそんな雰囲気の音楽ではないとすぐに分かると思います。きっと多くの人が「あれ?」と思うでしょう。

音楽的に見てもまずブルレスケであるという時点でおかしいし、冒頭には「sehr trotzig(きわめて反抗的に)」という指示すらあるのです。同僚に対する好意的な印象は微塵もありません。…とここまで書いただけで賢明な方はもうお気付きでしょう。

そう、これは大嫌いな同僚への「皮肉」なのです。

日本のバレンタインデーに例えるなら、嫌いな同僚や上司に「いつもありがとうございます!手作りチョコです!」といって「呪」とか「怨」とか書かれたチョコをあげるような感じでしょうか。そんなシチュエーション実際にはないと思いますが、そういうことが出来てしまうのが音楽なんですね。そう思えばほら、2楽章と同じようにこの曲が身近に感じられるでしょう?(笑)

これは「人生の闘い(嫌いな人間)への告別」とでも言うべきでしょうか。マーラーが気難しい性格であったのは有名で、誰にでも良い顔をするタイプではなかった上にオーケストラのリハーサルでの態度も高圧的だったので人間関係はあまり良好なものではなかったようです。私個人的には仕事仲間だけでなく、アルマに手を出した男たちへの皮肉も込められているように感じますが…真実は闇の中です。

◆マーラー 交響曲第9番 第3楽章
バーンスタイン指揮/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団


Part 1

※動画のPART1の5:38〜トランペットに始まる穏やかな部分は、後に続く終楽章の主要メロディと同じもので「伏線」のような形をとっています。

Part 2


次回はいよいよ最終回です。



【特集】マラ9を聴こう(全6回)
・第1回「終楽章から聴いてみよう
・第2回「沈黙のすすめ
・第3回「思い出は甘美で残酷である
・第4回「人は社会に踊らされ
・第5回「前略、大嫌いな貴方へ
・第6回「マーラーは人間である


2014/03/13 08:00 | コメント(0)



【特集】マラ9を聴こう 第4回「人は社会に踊らされ」 - 2014年03月12日
今日は第2楽章について書いていきます。

第2楽章はレントラーのスタイルによる舞曲です。レントラーとは3拍子の南ドイツ発祥の民族舞踊です。「三拍子ならワルツじゃないの?」と想う方も多いでしょう、ワルツもレントラーも元々は農民が踊っていたヴェラーという踊りが起源で、そこから枝分かれした兄弟のような存在です。

ワルツはその後ウィンナ・ワルツを皮切りに社交場(舞踏会)で発展したためお洒落で洗練された音楽になってますが。一般的にレントラーはワルツよりもテンポが遅く田舎臭い鈍重な雰囲気が強くなっています。

マーラーはオーストリアの作曲家というイメージが強いですが、彼はオーストリア帝国ボヘミアの小さな村の酒屋の息子で田舎出身です。そのようなバッググラウンドを考えると田舎風のこの音楽に親近感を感じていたのかもしれません。(ちなみに妻のアルマは画家を父に持つウィーン生まれの都会っ子でした)

この曲は大きく分けると、3種類の舞曲によって構成されています。

・舞曲1 田舎風の舞曲(基本のレントラー)
・舞曲2 早いテンポの悪魔的な舞曲(速いレントラー≒ワルツ)
・舞曲3 ゆっくりとした穏やかな舞曲(遅いレントラー)

この3つの舞曲を交互に織り交ぜられた構成になっているというところだけ押さえていただければ全体像がわかりやすいと思います。舞曲2に関してはレントラーというよりはワルツに近いです、死の舞踏。

曲を聴いていて、どこかコメディのような滑稽な雰囲気を感じる方は多いと思います。これはある種「自虐」の音楽なのです。現代の日本のサラリーマンの典型的イメージ(思い込み)になぞらえるならこんな感じでしょうか。

・舞曲1:田舎の実家(帰省&原点回帰)
・舞曲2:都会の喧騒、仕事に追われる日々(通勤ラッシュ&社畜モード)
・舞曲3:酒を飲んで現実を受け入れる(ほろ酔い&諦め)

シンメトリーのように挟まれた1・4楽章も踏まえて考えると、人生の皮肉な出来事の回想と告別と見ることもできるでしょう。「人生の滑稽さへの告別」とでもいいましょうか。そう思うと、この曲が不思議と身近に感じられる人も多いのでは?田舎から上京した私のような人間はニヤニヤしながら聴いています。(笑)

◆マーラー 交響曲第9番 第2楽章
バーンスタイン指揮/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団


Part 1

※ちなみに上記の動画のPART1を例にすると、冒頭が「舞曲1」で、2:33〜が「舞曲2」、5:09〜「舞曲3」となってます。わからない方は参考にしてください。

Part 2


次回(第5回)は3楽章をご紹介します。



【特集】マラ9を聴こう(全6回)
・第1回「終楽章から聴いてみよう
・第2回「沈黙のすすめ
・第3回「思い出は甘美で残酷である
・第4回「人は社会に踊らされ
・第5回「前略、大嫌いな貴方へ
・第6回「マーラーは人間である


2014/03/12 08:00 | コメント(0)


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